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なのフェイ@今回はフェイトさん多め?

執務官という仕事は、いつも緊張の連続だ。



慣れない土地、気候、風習・・・。

さらに、調査する事件も仕事柄難解かつ重大で、凶悪なケースが多い。

そしてその分、長期に渡ってその地に滞在することになる。


もちろん、それに十分見合う収入は用意されている。

しかし福利厚生は十分とはいえないだろう。

なぜなら執務官は一年のほとんどを「現場」で過ごすからだ。



こんな調子では、健康に支障をきたすのは目に見えているのだが・・・。





「・・・じゃあ、この資料まとめてあるから、データを本局に送って終わり。」

「え?まだまとめていない資料が・・・」

「後は私がやっておくから、みんなは休んでて。」

「ですが、ハラオウン執務官・・・、執務官もここのところあまりよく寝れてないと聞きます・・・。」

「私なら、平気だから。もう慣れたしね。」


苦笑気味にそう言ったフェイトだったが、もうおおよそ3年は家に帰っていない所為か、少しやつれている。心なしか、その美しい金髪も曇って見える。


「ほら、早く休まないと、次いつ寝れるかわからないよ?」

「・・・わかりました。執務官も、ご自愛ください。」

「ふふっ、ありがとう。」


その言葉がうれしかったのか、フェイトは久しぶりとなる心からの笑顔をのぞかせた。


しかし、局員が退室すると本格的に作業に入ったため表情はなりを潜め、無機質な表情になった。






----人間の心は、ほんの少しの”はずみ”で転がってしまうものである。


おおかた書類を片付け、少し安堵したその心の危ういバランスは、本人の知らぬ間に崩れかけようとしていた。




そんなとき、フェイト個人宛てに通信が入った。普段の事務用の通信とは分けてあるので、個人的な付き合いのある者からの通信である。

よほど疲れていたのか、通信相手を確認することもなく通信に出る。



「はい、フェイトです。」

『フェイトちゃん?もうお休みの時間やろうけど、ちょっとええかな?』

「・・・・・・!!」

『・・・もしもーし?フェイトちゃん?どないしたんやー?』

「・・・・・・・・は」

『へ?』

「な・・・・・・のは?」

『・・・・えっとー、八神はやてです・・・けど・・・?』



そう。通信を送ってきたのははやてである。しかし・・・


「もう、からかわないでよなのは。」

『えっとー・・・、ホンマにはやてですけど???』

「なのはったらー・・・・・」

『フェイトちゃん・・・?』


そのとき、突然フェイトの体が前後に揺れ始め、どこかうつろにも見える笑顔のまま倒れこんだ。


『・・・ッ!?』

とっさにはやては通信を切り替え、ちょうどフェイトと共に事件の調査に当たっていた局員をフェイトの部屋に呼び出した。奇しくも、先ほど最後まで仕事をしていた局員だった。



『フェイトちゃんは?』

「とりあえず、医務班に診てもらってます。詳しいことはまだはっきりとはしませんが、極度の過労の蓄積がみられるとのことでした。」

『そうか・・・。ありがとうな。』

「いえ、こちらこそ、八神さんが呼んでくださらなければ気づきませんでした・・・。ありがとうございます。」



それから程なくして、今度ははやての方にあの局員から通信が入った。

「もしもし?どないや?」

『それが・・・、当分職務は休んで療養するようにと。もしこのまま続けていたら過労死も危ぶまれていたようです・・・。』

「フェイトちゃんはがんばりすぎやで・・・。」

『ですが、今現在とある事件を追っている最中ですので、倒れられたのは非常に困ったことになりました・・・。』

「そうやなぁ・・・。あ、それなら丁度いい腕の絶つ執務官を一人知ってるで?」

『ですが八神さん、執務官は皆さん忙しいのでは・・・?』

「大丈夫や。今は大した事件もないって言ってたし、連絡してみるわ。」

『本当ですか?では、ぜひお願いします。』

「ええよ。困ったときはお互い様や。」






一方のフェイトは、現在休職し、ミッド郊外の病院の一室にいた。


「・・・なの、は・・・・・・・・な・・・・・・・の、は」


その瞳はどこを見るでもなく、ただ中を彷徨っている。体は起こしているが、無気力さが全身から漂っており、いつもより一回りも二回りも小さく見える。頬はこけて、半開きの口からは愛する者の名前が途切れることなく紡がれる。時折何かをつかもうとするかのように手を伸ばすが、力が入らないのか肘が伸びきらないまま落ちる。


と、そのとき、病室のドアが勢いよく開かれた。



その人物は肩で息をしながら呼びかける。



「・・・・・フェイ、ト、ちゃん・・・?」


「・・・・・・・・・・・・?」


どこか怯えを含んだ力のない目を、フェイトはその人物に向ける。






「な・・・・・・の、は・・・・・・・・・・?」

「・・・うん!フェイトちゃん、なのはだよ!」


それ以上の言葉はなく、二人は病室のベットで抱きしめ合った。


遅すぎた再会とそのぬくもりに、フェイトの瞳からは涙が溢れてとまらなかった。

なのはにしても、心配と再会に胸がいっぱいの様子だ。


そのまま二人は、どちらともなく一度口付けをした後、ただ抱きしめ合っていた・・・。



































おしまい。
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