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寂しさを愛で、悲しみを優しさで満たして

「私は全部持ってきてと言ったはずよ。それがたったの5個なんて!」
「ごめんなさい・・・母さん。」
「これじゃ足りないわ・・・アルハザードには届かない・・・。」
「あの、これ、母さんに」
「そんなものを買ってくる暇があるなら、ジュエルシードを集めて来なさい。」


私はそう素っ気無く言い、奥の部屋へと逃げるように入った。


―そう、逃げるように。


私は怖いのだ。失った娘を求めてクローンを造り、それでも届かないと知ると今度は失われた都を目指した。かつて愛した娘とそっくりの出来損ないを利用する、そんな自分が。

私は怖いのだ。アリシアとは違うと分かっていてもなお、愛そうとしてしまう自分が心の中にいることが。

私は、怖いのだ。このままフェイトを愛し、アリシアを忘れてしまうことが・・・。



こんな時、リニスがいたらどう言うだろうか。


「そんなことありませんよ。プレシアならきっと二人を愛せます。」

そんな声が聞こえた気がした。


アリシアは、どう思っているのだろうか。

「おかーさん、ずっと怖い顔してるよ?わたしはおかーさんにもっと笑ってほしいな!」

そんな声が聞こえた気がした。



私は孤独だ。

魔力炉の実験の時も、安全性の確保を叫んだのは私だけだった。

それからのアリシアを取り戻す日々も、私は独りで研究を続けた。

そして、今も。


私はもう長くはない。その前に、なんとしてもアリシアとの日々を取り戻さなければ・・・。

ふと、外の声が聞こえてきた。万が一のために管理している時空の庭園通路からだった。


「あんまりだよ!せっかくフェイトが用意したのにあんな仕打ちなんて!」
「アルフ、母さんを悪く言わないで。」
「分かってるよ・・・でも!」
「母さんは、私のたった一人の母さんだから。」
「・・・うん。ごめんねフェイト。」



この時、私は気がついてしまった。私にとってあの子はアリシアの出来損ないだけど、あの子にとっての私は、紛れもなく母なのだと言うことに。


そして何より、私はもう、あの子を愛していたのだと言うことに。


「フェイト・・・。」


漏れでた言葉も一筋の涙も、届くのには遠過ぎる。
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